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中野店 店舗ブログ

スカボローの市によせて

平素より中野店をお引き立ていただきありがとうございます。

CAの荻原でございます!

私が執筆を拝命してから、早いものでもう四度目の更新。ひとまず「三日坊主にならない」という目標は達成できて何よりです。

 

近況

毎週のように気候に対して文句をつけている拙ブログですが、ようやく残暑が終わり、遅れて寒波が襲来するようです。

そうして今度は、舌の根が乾かぬうちに「寒すぎ!!!!」と騒ぎ出すのでしょう。人間は順応する生き物のはずですが……。

実際のところ、つい最近まで薄手のブランケット一枚でなんとかやっていたのが、身を丸めないと寒くてお腹にダメージを食らいます。

冬物を引っ張り出してこないと、さすがに体を壊しそうですね。

 
聳ゆる山はいや青く

私は毎日フロントから山を眺めておりますが、少しずつ末枯れの色になってきている気はするものの、まだ赤や黄色、橙色は見えません。

これからぐっと寒くなったら、どんどん色づいてくるのでしょうか。

楽しみですね🍁

今週のよもやま話

Are you going to scarborough fair?

――こちらのフレーズ、聞き覚えのある方もいらっしゃるかもしれません。

イギリスの伝統的なバラッド『スカボロー・フェア』の一節です。もっとも有名なのは、サイモン&ガーファンクル版『スカボロー・フェア/詠唱』でしょうか。

かつての恋人への伝言を聴き手に託す形式で歌われる曲ですが、その内容は「縫い目のないシャツを仕立てて乾いた井戸で洗う」「革でできた鎌で刈る」といった不可能なお仕事を成し遂げてくれたなら再び恋人に戻ります、という歌。

どこか、竹取物語にてかぐや姫が五人の貴公子たちに課した無理難題を彷彿とさせますね。

古くはスコットランドのバラッド『エルフィンナイト』が原型であるといわれ、「相手への無茶ぶり」な歌詞にも共通点がいくつかみられます。こちらは聴き手への伝言というよりは、結婚したがる乙女に対し、妖精の騎士が課題を与えるもの。

どちらのバラッドも、ひるがえせば「あなたと愛し合う気は(もう)これっぽっちもありません」と言外に断っているような気がしてなりません。

あるいはわずかでも相手に期待を寄せているからこそ、あえて試しているのか? どちらにしても、なかなか奥ゆかしく、かつ壮大で幻想的で切なさすらある表現方法だなあと個人的には思います。

私だったら、そのような条件を提示された時点で、端から結実しない想いなのだ……と早々に匙を投げてしまうでしょう(みなさまはいかがでしょうか)。

 

さて、なぜこの話をしているのかと申しますと……

上記の『スカボロー・フェア/詠唱』が収録されたサイモン&ガーファンクルのアルバム『パセリ・セージ・ローズマリー・アンド・タイム』が、1966年10月24日に発売されたからです。(カバー写真は私物のレコードです)

今年で59周年を迎える本アルバム。60年となる来年のほうが区切りはいいのだろうと思いますが、スカボロー・フェアは荻原が大好きな曲です。愛してやまないものを語りたいときが語りどきと申します、どうぞご容赦ください。

はじめて聴いたのはとあるフリーホラーゲームの作中だったため、なかなか暗澹たる出会いですね。

人生の幕引きはこの歌を聴きながらがいいなあと思うほどで、よく口ずさんでいるのですが、みなさまにはそういった一曲はございますでしょうか。

 

ちなみに、スカボロー・フェアというのは、イングランド・ノース・ヨークシャーにある海辺の街・スカーバラ(スカボロー)でかつて開かれていた市場(フェア)のこと。

毎年8月15日から9月29日まで催され、イギリス国内だけでなく周辺諸国からも商人が集まったほどの大規模なイベントだったのだとか。

商品の価格は需要と供給によって決まり、物々交換で取引されていた模様。貨幣そのものがそこまで重要視されていなかったのでしょうか。

そんなスカボローの市ですが、近隣の町で新たな市場が開催されたことで繁栄は衰退していきます。その後もほかの市場との競争や税金増加により財政難に陥り、一度は立て直したものの維持は叶わず。1788年、13世紀~18世紀の約500年間にも亘る長い歴史に幕を閉じたとされています。

今では夏の交易市場こそ行われていませんが、街の大通りにはそんな長い歴史を感じさせる街並みが残存しているそうです。

今は遥か、憧れのスカボロー。いつかたくさんの時間ができたら、愛する歌を携えて、ぜひ探訪してみたいものですね。まずは英語を習得するところからです、とほほ……😢

※じつはスカボローの公式サイトも存在します

スカボロー・フェアをはじめ、古今東西に幾つも記憶される詩歌は、あるときは眠りのそばに、あるときは歴史の体現に、またあるときは戦う者を奮い立たせ、人の魂そのものにもなりうる、永く人類に寄り添ってきたすばらしい文化です。

 

芸術の秋、本を読みながら、あるいは運動や食事のお供に、音楽を聴いてみるのも素敵かもしれません。

当店のラジオからも、ジャンルも年代もさまざまな曲が流れてくることがございます。

ご来店の際は、ぜひ耳を傾けてみてくださいね。

 

蛇足

音楽と言えば、種々様々なゲームを彩るBGMたちも名曲揃いですよね。

  • 謳う丘 ~Harmonics EOLIA~
  • Madoromi(【18】キミトツナガルパズルより)
  • Vamo’ alla flamenco
  • Endwalker – Footfalls
  • 天の祈り(DQIXより)
  • 生命ある者へ
  • 銀翼の凶星~バルファルク
  • 迷宮航行
  • 戦場 – 七の脅威
  • N木ig木ht木L
  • 星と人の契り
  • 二ノ国 ボス戦
  • 勝利は目前!
  • 東エリア(ポケモンSVより)

荻原が好きなものを挙げると枚挙に暇がありませんが、みなさまにも思い出深いゲーム音楽はありますか?